お金を管理する能力が乏しいと夫婦関係は破綻に近づく
夫婦の関係は、お金に関する価値観や考え方に問題がなくても、お金を現実的に管理する能力が不足していると、破綻することがあります。
たとえば、人一倍妻子を愛する気持ちが大きい夫であっても、家計に致命的な打撃を与えるような買い物を繰り返されると、さすがに婚姻生活は続けられなくなります。
このような人と交際した人は”羽振りのいい人”と感じて結婚したりもするのですが、いざ結婚して夫の懐具合と消費の関係を冷静に検討すると、無計画にお金を使っている実態が浮き彫りになったりします。
問題が明らかになれば、すぐに事態は改善できそうにも思えますが、お金の管理がうまくできない人は、根本的な性質の部分で、性格がルーズであったり、現実を説明されても理解できなかったり、収入がなくても生活のレベルを下げられなかったりする部分がありますので、そう簡単に事態は改善しません。
この手の人は周囲の人からも「良い人」と評価されていたりします。長所に見える点は短所にもなり、短所に見える点は長所にもなり得ますので、周囲の人の評価は慎重に検討しなければなりません。
問題が本人の努力だけで改まるなら良いのですが、生来の性格であったり、病気と考えるべきものなら、現実に即した対応をするしかありません。
現実に即した対応とはつまり「お小遣い以外のお金は渡さない」とか「借金ができないようにする(貸付自粛制度に基づく申告手続き)」といった手続きになるでしょうか。
そのような対応をしても家族に悪影響が及ぶなら、まずは距離を置くための別居をし、一定期間を経ても改善が見込めないなら諦めて離婚するもやむを得ないと言えるでしょう。
優しい性格の本人を見捨てるわけにはいかない思いから、配偶者や親族などの周りの人間が、できる限りの金銭的な援助を試みることもあるでしょうが、時には助けないことが、本人のためになることもあります。
私が離婚相談を行う中でも、病的にお金を使い込んでしまう息子を放っておけず、何千万円もの大金を尻拭いしてきた両親もいましたが、最後にはお金が尽きて「早い段階で尻拭いをストップするべきだった」と後悔していました。