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行政書士がカウンセリング?
私、西田和雅は行政書士でありながら、夫婦関係の修復支援をも含めたカウンセリングを行っています。”なぜ法的な専門家がカウンセリング?”という方のために、この点をご説明しておきます。カウンセリングと聞くと、
私は行政書士ですが夫婦問題のカウンセリングを行っています。”なぜ法律関係の専門家がカウンセリング?と思う方のために説明しますね。まずカウンセリングと聞くと、こんな風に思ったりしませんか?
じっくり話を聞いてくれるんだよね!
ありのままの自分でも受け入れてくれるはず!
苦しい思いを分かってくれるんじゃないかな?
ただ反対に、こんなマイナスイメージを持つ人もいると思うんですよね。
気休めに過ぎないわ
どーもうさんくさい
大した効果は期待できないな
実は私も夫婦問題の相談業を始めてしばらく経つまでは、カウンセリングにネガティブなイメージを持っていました。しかし、仕事を始めてしばらく経つと、心の問題を解決しなければ夫婦問題の解決向けて物事が動き出さない現実があることが分かってきました。たとえばこんな相談を一般的な弁護士にしたとします。
夫と性格が合わないので離婚したいと思っていますが、子供が3人いるので迷っています。どうしたらいいでしょうか…。
こんなとき、心の問題の解決やサポートを行っていないと、法律的な手続きを行う弁護士事務所などは、こんな回答をするのが普通だと思います。
申し訳ないですが、こちらは離婚を決意された方が相談するところなので、申し訳ないですが離婚が決まってからご相談ください。
確かに「離婚すべきかどうか」という相談者の”生き方の問題”とも言える相談は法律的な問題ではありません。しかし、離婚の問題は大体そのようなもの。言葉は悪いですが、杓子定規に「あれもダメ、これもダメ」と言っていては、現実の相談などできたものではありません。法律的な問題、気持ちの問題、経済的な問題、世間体の問題、親族の問題…こんな問題がごちゃごちゃに入り混じっているのが現実の夫婦問題であり、離婚問題です。法律的な専門家の本音は「あれもこれも聞いてられない」に近いものがありますが、相談する側の本音は反対に「とりあえず聞いて!」です。
「離婚すべきかどうか」という人生の選択とも言うべき問題に絶対的な答えは存在しません。しかし、そのようなことは皆知った上で、不安な気持ちが高ぶって相談していることがほとんどです。自分である程度の結論をイメージしていながらあえて専門家に相談するのは、誰かに背中を押して欲しい思いがあるからではないでしょうか。
ある程度離婚を決意していても「本当にこれでいい?」「間違っているかも」といった不安はどうしても出てくるものです。不安があるから「間違っていないと誰かに言ってもらいたい」「自分の決断を認めてもらいたい」と思い、相談するのです。どんなに私が的確な方法論をアドバイスをしたところで、本人が何も決断しなければ周りも何もできず、現状は改善しません。そう、法的問題に取り組む前提にあるのが、心の問題の解決なのです。
日本の約95%は傾聴型カウンセリング、欧米の主流は提案型カウンセリング
カウンセリングの世界をご存じない方のために、少し日本のカウンセリングの現状についてご紹介しておきます。カウンセリングは大きく分けると2パターンに分かれます。一つは、クライアントの話をひたすら聴く傾聴型カウンセリング。もう一つは、クライアントの置かれた状況を分析し、積極的に指示や提案をする提案型カウンセリングです。
- 傾聴型カウンセリング
クライアントの話をひたすら聴く - 提案型カウンセリング
クライアントの置かれた状況を分析し、積極的に指示や提案をする
あまり日本のカウンセリング業界を悪く言いたくありませんが、日本のカウンセラーの地位や評価は欧米のそれと比べて遥かに低く、現実的にはこんな風に評価されています。
日本のカウンセリングは数十年遅れている!
理由はいくつかありますが、傾聴型か提案型かの違いもあると思わいます。まず、傾聴型の最も大きなデメリットは時間がかかるということ。傾聴型は「ひたすらクライアントの話を聴き、カウンセラーは一切指示をせず、クライアント自身に答えを出させる」という手法であるため、カウンセラーが誤った指示を出す危険性はありません。傾聴型カウンセリングは、傾聴のスキルさえ習得すれば具体的な問題を解決に導く知識や技能はそれほど求められないのです。しかしその分、クライアント自身がじっくり考えて答えを出さなければならないので、解決まで相当の時間がかかります。
傾聴型カウンセリングによる解決までの時間は、週1回のカウンセリングで2年が目安、と言われたりもしますが、大多数のクライアントが早期解決を望んでいる現実を踏まえると、傾聴型のカウンセリングでは早期解決の要望を満たすのは難しいといえるでしょう。
反対に、提案型カウンセリングは、クライアントにアドバイスする手法ですから相応の知識と経験と判断力が求められます。傾聴型は、具体的な問題を解決に導く知識や技能は求められず、間違ったアドバイスの危険性もないのでめ、安全性を重視する日本では支持されたと考えられるんですね。しかし、早期に効果を求めるクライアントの立場から考えると、あまり好ましいことではありません。
私も、傾聴型のカウンセリングを検討しましたが「ほとんどの人は、目の前の離婚問題を早期に解決する具体的なアドバイスを望んでいるはず」と考えて提案型カウンセリングにしました。
提案型カウンセリングは、人によっては耳が痛いものになる
提案型カウンセリングも、基本は「本人の自由な意思表示」の実現を目的とするカウンセリングなので、なるべく本人の判断で方針が決められるような提案が求められます。「~した方がいい」というアドバイスは、クライアントの否定と受け取られる可能性もあるため、一定の反発心が湧いても不思議ではありません。「忠言は耳に逆らう」というように、忠告の言葉は聴く者にとっては耳が痛くて素直に受け入れがたいものです。
しかし、これを怖がっていては早期の問題解決は実現できません。カウンセリングを含め、現在主流の考え方は「ありのままの自分でいい」ですが、その考え方の価値を認めた上で、あえて「変わりましょう!」と申し上げます。流行語にもなった林修先生の「いつやるか?今でしょ!」という言葉は、それまで動けなかった方々に変化を促す前向きな言葉ですが、流行したのは、多くの人が変化の必要性を認めているからではないでしょうか。私は離婚問題のサポートを行う中で、これまで多くの方々が変わる姿を見てきました。
夫に養育費を請求するだけでも「夫を怒らせたら何をされるか分かりません…」と怯えて泣く奥様の姿は何度も見てきました。それまで夫の暴力に怯え、自分の意見を一切言えなかった奥様にとっては、当たり前ともいうべき養育費の請求も、現実的には相当難しいことなのです。しかし「言うべきことは言う」と覚悟を決めて行動して一定の成果に辿り着いたとき、奥様の中で何かが変わり、自信に満ちた笑顔を見せてくれます。こんな時、皆さんは一様に「西田先生のおかげです!」と言ってくれますが、私はいつもこんな風にお答えしています。
この結果は間違いなく最終的な決断と実行をした自分自身の成果です。私はきっかけを作っただけ。胸を張って良いと思いますよ!
こうお伝えすると皆、満面の笑顔で喜んでくれます。そこには最初の面談で泣いていた姿は全くありません。自分で後押しをしておきながら「人って変わるもんだな~」としみじみ思ったりする私です。それ以上に驚くのは「望みどおりの成果が出なかったとき」の反応です。最初は「結果が出なければ落胆するだけだな」と思っていましたが、実際はそうとは限りませんでした。夫に対する恐怖心から何も言えなかった方などは、
望んだ結果にはならなかったけど、今まで我慢してばかりだったので
今回は言うべきことをハッキリ言えて本当に良かったです!
といった具体に、言いたいことを言えたことを喜んでいます。そんな姿から、問題を解決するプロセスがいかに大事かということをいつも私は教えられるんですね。一度勇気を振り絞った行動ができると自信がつき、その後の別の問題に直面したとき、適切な判断と行動ができる可能性がアップします。勇気を出してチャレンジする一つの行動や変化は、目の前の夫婦問題だけに起きる変化ではありません。
仕事でも趣味でも友人関係でも、全てに通じること。決断や行動をする勇気のキッカケを作るのがこのカウンセリングです。勇気にも色々な形があります。離婚する勇気、修復する勇気、様子をみる勇気など、有機にも様々な形があります。様子をみる勇気などは「なにもやらないのと同じ」と言う人もいるかもしれませんが、自分で十分な検討をした上で意識して動かないのと、何も考えずにただ動かないのは全く違います。
風林火山の「動かざること山の如し」のように「動かない意味を理解した上で意図的に動かないこと」ですから、勇気ある立派な決断です。提案型カウンセリングによって、たくさんの決断をしていくプロセスは大変だと思いますが、その先には一皮剥けた自分が待っていると思いますので、苦しい今を変えたいと思われる方は是非ご相談ください。
心の悩みは取り扱えても心の病気は取り扱えません
このカウンセリングは、夫婦の問題を法的側面と心理的側面の両方を踏まえて、現実的な問題の解決に繋がると思われる解決案を積極的に提案する提案型カウンセリングです。早期解決を念頭に積極的なアドバイスを望まれる方には望ましい手法ですが、常識的なアドバイスでも、感情がコントロールできずに激高したりパニック状態に陥る可能性がある方は、症状の悪化を招く可能性もありますので、まずは最寄りの精神科や心療内科を受診してください。
夫婦問題相談所のカウンセリングは、いわば「心の悩み」を取り扱うものですので、医学的な意味での「心の病気」は取り扱えません。医師の医療行為とは根本的に異なるカウンセリングですので、この点ご注意ください。
専門家と十分に話せるどうかはかなり重要
カウンセリングに関連して法律を扱う業界の対応の問題についてお話ししておきます。法的な専門家であろうと、カウンセラーであろうと、夫婦問題の相談を仕事として応じるなら、相談に来られた方をお客様として扱うのは本来当然のことです。しかし、いわゆる「士業」と言われるこの業界では、少なからずその常識が通用しないところがあります。競争の少なさがサービス向上を妨げる原因の一つと思われますが、専門家の冷たい言動によって傷つくケースは結構多く、私はお客様から直接、上から目線、偉そう、冷たい、事務的、顔を見ない、先入観で非難する、目つきが悪い、事務的、連絡が取れない、といった不満の声を聞きます。
夫婦問題は、性交渉の存否のように、普通は口外しないプライベートの実情まで踏み込んで事情を伺わなければならない問題ですから「どれだけ専門家を信頼して話せるか」は非常に重要な問題です。どんなに優秀な専門家でもクライアントとの対話が不足すれば、十分な情報や証拠が得られませんから、当然サポートの質は落ちます。
私の事務所にも「依頼した専門家とほとんど話ができなくて困っています」といった相談は何度もありましたが、専門家と十分な対話ができるかどうかは、重要でありながら案外見落としがちなポイントです。離婚問題は夫婦の関係だけでなく、親子関係・親族関係・友人関係にも影響を及ぼす重要な問題です。後で後悔しないよう十分に検討した上で、自分に合った最高のサポーターを選んでいただきたいと思います。