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長い時間が必要な離婚調停

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実際に調停を経験した人はよくご存知かもしれませんが、申し立てを行ってから第1回目の調停までかなり時間がかかります。

裁判所の都合によるのですが、一般的には約1か月後。1か月後に必ず開催されるならまだいいですが、現実には相手方との日程調整も必要となりますから、相手方が”日中は仕事が抜けられないのでなかなか難しい。”などと言われ、2~3ヶ月経っても開催されないこともあります。

更に、当事者双方が調停ですぐに決着しようと意気込んでいる場合でも、裁判所や調停委員の都合によって、開始が遅れる場合もあり、早期解決を願っている人にとっては「イライラする制度」に感じられるかもしれません。

長い時間待って待ってやっと始まった最初の調停。調停の長期化を防ごうと、予め経緯の一覧表や論点の整理をした資料を提出してもろくに資料には目を通してもらえていなくてがっかり・・・・。

仕方なく最初から事情を話していくと、ある事情と要望を話したかな、と思ったところで調停終了。調停で話せる時間はお互い1時間くらい。

とてもそんな僅かな時間の間に詰めた話などできません。早く決着をつけたいと思っても、次の調停は概ね1ヵ月程度の期間をおいて開催されるので、いくら頑張っても自分の力だけで早期に解決することはできないのです。

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調停委員は法律の専門家とは限らない

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たとえ時間がかかっても、調停の場で公平かつ的確なアドバイスがもらえるなら我慢もできるでしょう。しかし、離婚調停に臨んだ方の多くが調停委員或いは調停という制度そのものに疑問を抱いています。

調停委員は法律の専門家であるとは限りません。家庭裁判所の中で行う手続きではありますが、必ずしも法律を前提に話が進められるわけではありません。

調停委員は各々、自分の経験、常識に照らして意見を語りますが、その発言に法律的な根拠が保証されているわけではないのです。

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調停委員のイメージ

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従って、調停が円滑に行われるかどうかは調停委員の資質・判断に左右される部分が多いようです。調停に臨んだ方々に調停委員に対するイメージに関するアンケートをしたところ、ベスト3は以下のような回答でした。

[su_list icon=”icon: arrow-circle-right” icon_color=”#FF7C7C”]

  • 価値観を押し付ける
  • 信頼できない
  • 決めつける

[/su_list]

なんと上位ベスト3が全て調停委員に対する不満!

調停委員に望むこと

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更に!「調停委員に望むことは?」という質問をしたところ、こんな回答が返ってきました・・・

[su_list icon=”icon: arrow-circle-right” icon_color=”#FF7C7C”]

  • 相手の説得
  • 公平中立
  • 相手への交渉
  • 冷静な意見
  • 具体的なアドバイス
  • 正しい知識の教示
  • 正しい考えの教示
  • 話を聞く
  • 相談にのる
  • 自分への説得

[/su_list]

…悲しいかなこれが調停に臨んだ方々の多くが感じる本当の気持ちです。「自分のことを真剣に考えてくれる筈…」なんて淡い期待を抱いていると後で大きなショックを受けるでしょう、そして思うのです、「自分達で話し合った方が良かったかも?」と。

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みんな調停で疲れ切ってしまう

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これだけ不平不満が多い調停ですが、実は「調停後に裁判に移行する割合」は調停をした夫婦のわずか1割程度に過ぎません。

それはなぜかといえば、お互い長い長い調停をする間に疲れ切ってしまい、「もうこのへんで終わりにしよう・・・」と思ってしまうことが大きな原因と考えられます。

考えてみればそれはもっともな話。中途半端な状況が長く続いた上に「調停を続けても良い結果は得られそうにない」と思ってしまったら「もうこの辺で終わりにした方がいいか・・・」と思いますよね。

このように当事者が感じる背景に、調停委員の適切な仲介があれば問題ないのですが、現実はそう甘くはありません。調停に臨む人の多くは最初こんな風に思っていたりします。

[su_list icon=”icon: arrow-circle-right” icon_color=”#FF7C7C”]

  • 公平中立な調停委員がじっくり話を聞いてくれるはず
  • 法律を前提に、正しいアドバイスをしてくれるはず
  • 自分の意向と法律を相手方に上手に説明し、相手方を説得してくれるはず

[/su_list]

しかし現実は厳しい・・・。調停委員は、僅かな情報だけで全ての真実を悟ったかのように話し出し、一方的な価値観を押し付けてきたり・・・

「裁判になったら聞かれたくないことを聞かれて嫌な思いをするかもしれませんよ。それでもいいんですか?」

などと、半ば脅しの言葉や態度で合意を促されてみたり・・・、信じていた調停委員の法的アドバイスが、全く不正確だったり・・・。

全ての調停委員に問題があるとは言いません。しかし、実際に調停を行った方がの多くが不満を持っている現実を踏まえるなら、調停の制度に改善すべき点が多いことは明かと言えるでしょう。

何ヶ月も時間をかけて、結局結論は出ず、先の展望など全く見えない・・・という状態ですから、それはもう裁判で争う気力もお互い失せた頃なんですよね。

皮肉な話ですが、実はそんなお互い疲れ果てた頃が一番話が進みやすい時期。疲れ果てているので、互い「もうこれ以上の争いは避けたい」という気持ちが強くなり、譲歩しやすいようです。

お互いの譲歩によって協議が成立しても、それはあくまで形式的なものであるということ。疲れて諦めただけの話で、納得などできていないのです。

従って、本質的に解決していないことだけは間違いありません。離婚手続きにおいて一番大切なのは”心の問題を解決すること”とよく言われますが、これは本当に難しい問題です…。

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