婚姻費用の分担義務とは

夫婦が生活を送っていく上でかかる費用のことを”婚姻費用”と言います。略して”コンピ”という人もいます。夫婦の間には、お互いの生活を自分の生活の一部として、相手方が自分と同じレベルの生活を続けていけるように扶養するという”生活保持義務”があり、夫婦はその資産、収入その他の一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担しなければなりません。その夫婦にふさわしい生活費が必要ですから、小額のお金を渡して「これでいいだろう!!」と一方的に済ませることはできません。

分担義務を負う期間

婚姻費用の分担義務は、夫婦の婚姻が継続している限り、離婚の協議中・別居中・離婚調停中・離婚裁判中であっても存在しています。別居した夫が、経済的余裕があるのにもかかわらず生活費を支払わないのは、法律的には許されません。

婚姻費用に含まれるもの

婚姻費用の中には、日常の生活費、衣食住の費用、医療費、交際費、などのほか子どもの養育費も含まれます。民法は、夫婦は同居し、互いに協力し助け合わなければならないと定めています。(民752)また夫婦には、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する義務があるとしています。(民760)