性交不能症、勃起不全、性交拒否、異常性欲、性嫌悪性、同性愛
はじめに
性の不一致にもその内容は様々です。裁判で実際に認められた性の不一致としては、性交不能、性交拒否、異常性欲、性嫌悪症、同性愛等があります。
ここではその具体的な内容をみていきましょう。
性交不能症(勃起不全・性機能障害)
性交不能症は、別名「性機能障害」ともいいます。性交不能症とは、性欲があるにもかかわらず、精神的あるいは物理的に性交できない病気のことをいいます。
中でも男性の「勃起不全」は重大な問題で、セックスレスの状態にあるカップルの3割近くが「勃起不全がセックスレスの原因」と訴えています。
また、日本では40~50歳代男性の半数が勃起不全には病んでいるとも言われています。男性も女性も病気や高齢による性交不能は離婚原因とはなりませんが、性交不能のため愛情を喪失し、破綻に至った場合は離婚原因になる可能性があります。
性交拒否
性交拒否のため愛情を喪失し、破綻に至った場合は離婚原因になる場合があり、判例上も離婚とともに慰謝料が認められたケースが多数あります。(但し、性交渉の拒否が即離婚につながるわけではありません。 ) 詳しくは下記の判例をご参照ください。 [su_button url=”https://rikon99.net/rikongenin1/sex/2861.html” background=”#FF7C7C” size=”8″ center=”yes”] 性交渉拒否の判例 [/su_button]
異常性欲
異常性欲とは、性欲に量的または質的な異常があることをいい、一般人の性的行動や性欲のありようにおいて、正常とみなされない種類の性欲のことをいいます。
量的には淫乱症(色情症)、質的には小児愛・近親相姦・露出症などがあります。この異常性欲を超える、正常な人間とはとても思えないような性欲、たとえば異性の汚物を食べたりする食糞淫欲、死体だけに性欲を感じるは屍姦(しかん)などは「病的性欲」といい、性的倒錯(せいてきとうさく)の一つのに含まれる。
いずれにしても、正常とみなされない性欲が原因で婚姻関係に亀裂が入ったような場合は、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚原因になる可能性が高くなることは間違いないでしょう。
性嫌悪症
性嫌悪症とは、配偶者との性交渉を回避し嫌悪する状態のことをいい、「配偶者との性行為が予期されると強い否定的な感情が起き、性行為を回避するほどの恐怖や不安が生じる。」 「性的伴侶との性器による性的接触のほんとすべてを、持続的または反復的に極端に嫌悪し回避すること。
その障害によって著しい苦痛が生じ、または対人関係が困難になっている。」と定義されています。潔癖症と同種の強迫性障害であることから、行動療法・カウンセリング等が主な治療方法とされています。
性嫌悪症の治癒率は2割程度というデータもあり、回復困難な症状ともいえます。ただ、性嫌悪は”個人の好き嫌いの一種”とも言えるため、お互い性交渉がなくても平気なら無理に治療せずに性愛から離れて過ごせばよい、という考え方もあります。とはいえ、性嫌悪症は女性の最も大きな性的問題であることは紛れもない事実です。
同性愛
同性愛とは、男性同士または女性同士の間での親愛や性愛、その性的指向を指し、同性愛の性質を持っている人のことを同性愛者といいます。
夫婦の一方が同性愛者で、他の”同性”と性的な関係になれば、不貞行為となり離婚や慰謝料の原因となります。
男性同性愛者には妻を持ちながら同性との性交渉を求める者も少なくありません。妻が夫がゲイであることを納得した上で結婚したのであれば普通問題にはなりません。
ただ、男性がゲイであることを隠して結婚していた場合、離婚のトラブルに発展する可能性が高いでしょう。