信仰上の相違

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信仰の相違は直ちに離婚原因となるわけではない

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結婚する当事者の信仰や宗教に違いがあっても、直ちに婚姻生活を継続しがたい重大な理由になるわけではありません。

このことは、お互いに信仰が異なることを知りつつ結婚することが往々にしてあることからも当然です。

しかし、信仰や宗教は一種の排他的な性格を持つものですので、夫と妻が別々の宗教を持っていれば、お互いにこれを理解して尊重し合うのはとても困難です。従って、信仰上の相違が原因で夫婦間に亀裂が生じることは十分ありうることです。

裁判所の多くの判例も、宗教活動が節度を越え、家庭をないがしろにした結果、いさかいが絶えなくなり、日常生活にも支障をきたし、夫婦関係が破綻してしまったような場合には「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるとして、離婚を認めています。

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宗教・信仰そのものは非難できない

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裁判所の判例の中にも、妻がクリスチャンで夫は創価学会員(ただし、結婚するにあたりこれを隠していた)であったという夫婦につき、信仰上の相違から不和が生じ、その結果数年間別居が続いている以上、その状態は「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たると認めたものがあります。

信仰上の問題はどちらか一方に責任があるといえない場合が多く、従って客観的な破綻という事実に重点を置いて判断したのでしょう。

たしかに、宗教はそれを信じる人にとっては欠くことのできない大切なものですから、夫なり、妻なり、そのような信仰を持っていること、持っていたこと自体を捉えて非難することはできないといえるでしょう。

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宗教活動による破綻の実例

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結婚して13年目、妻はある宗教に入信し、布教活動のために家事・育児がおろそかになってしまいました。また、親族などに対しても、強引に入信をすすめました。

そのため、もともと妻の入信を快く思っていなかった夫やその両親との折り合いが悪くなり、妻が家出し、何年も別居状態が続いていました。

そういう状態で、夫から離婚を求めたケースに対し、裁判所は「夫婦は完全に破綻し、しかも破綻したことについて夫に主たる原因があるとはいえない」として夫の離婚請求を認めました。

たしかに、妻は夫が信じていない宗教に入信し、熱心に宗教活動をしているのですから、これによって夫婦の関係がうまくいかなくなり、夫が妻に対し、婚姻継続の意思を失ったとしても、夫に主たる責任があるとはいえないでしょう。

問題はこのケースで、妻から離婚を求めた場合、どうなるかということです。妻から離婚を求めたとしても同様に認められるでしょうか。

妻に信仰の自由はあるものの、一方で夫婦は婚姻生活上の義務(ここでは家事・育児など)も負っています。

そうすると、この場合、妻からの離婚請求が認められるかどうかは、なかなか難しい問題ということになるでしょう。

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