
親権とは、父母が未成年の子に対してもつ身分上及び財産上の養育保護を内容とする包括的な権限及び責務の総称です。離婚をする際に未成年の子供がいる場合には親権者を決めなければなりません。
これは「親の権利」というよりも「子供に対する親の責任と義務」ということの意味が強く含まれています。親権には以下の2つに分ける事が出来ます。
離婚をした場合、未成年の子供がいる場合は、夫婦のどちらかが子供の親としての権利や義務を受け持つという『親権者』を決める必要があります。離婚届には親権者を記載する欄があり、記入がなければ離婚届けを受理されません。
これに対し、慰謝料、財産分与、養育費等も、離婚の際にキチンと話し合っておくべきことではありますが、離婚届の記載事項とはなっていないため、特別な取り決めがなくても離婚が認められています。
協議で離婚する事自体に争いがなく、親権者を父とするか母とするか話し合いが成立しない時は、家庭裁判所へ親権者を定める調停又は審判の申立をする事になります。
調停の席でも親権の帰属が成立しないときは、ただちに家事審判手続に移行し(調停申立のときに審判の申立があったものとみなされて)、家庭裁判所が親権者を父か母に定めます。
調停を経ずに審判の申立をする事も出来ます。しかし、この場合にも、家庭裁判所は、父と母が調停委員会の関与により話し合いをさせることが妥当であると考えるときは、調停に回す事が出来ます。
しかし、一般には、離婚と親権者の指定を分離せず一括して調停の申立をなし、調停不調の時は地方裁判所の民事訴訟手続により、判決を求めることが多いようです。
通常、離婚する妻は夫の戸籍から抜け、新しい戸籍に移りますが、子供の氏、戸籍は親の離婚によって直接の影響を受ける事はありませんので、父親の戸籍に残ることになります。
子供を妻の戸籍に入れたい場合は、子供を母親の氏に変更するため、家庭裁判所に対し「氏の変更許可審判」の申立てを行わなければなりません。(民法791条1項)
子の氏の変更は、子が成年であってもすることができますが、未成年のときに氏の変更をした場合には、子が成年に達した後1年以内に、従前の氏に復することができます(民法791条4項)。
注意点
親権者が父、監護者が母の場合は、親権者である父の同意、申立てが必要です。
離婚をする際にどちらが子供の親権者になるか協議で決定されれば問題はありませんが、お互いが親権者になる事を望んでいるなど、協議で決定しない場合は家庭裁判所へ親権者指定の調停、審判の申立てをすることになります。
調停あるいは審判でも決まらない場合は、地方裁判所に離婚訴訟を提起することができます。


審判や判決の場合、父が親権者になる事は、2〜3割程度であり、圧倒的に母親が親権者と指定されることの多いのが実情です。
特に乳幼児〜10歳くらいまでは、母親と一緒に生活するのが自然であると考えられ、80%以上は母親が親権者になっています。
親権があるほうが子供を引き取るという決まりはなく、二つの権利(親権・監護権)を分け、後で変更する事もできますが、小さなお子様が居る場合、男性が親権を取得するには非常に不利な状態であると言えます。
一回決定した親権者を変更するには家庭裁判所に親権者変更の調停、審判を申立てなければなりません。認められるのは子供の視点に立って変更が必要であるとされた場合のみとなっています。
親権も監護権も取れなかったとしても子供に面会、電話、手紙、訪問等で接触する権利はあります。法律では親が自分の子供と面会交流する権利を明確にはしていません。
しかし子供の側に立ってみれば離れて暮らす事となった親と会う権利は当然あると考えるべきで、離れた親と会いたいと願う子供の為の権利と言って良いでしょう。
親権者と定められた父母の一方が親権と監護権を持つのが一般的ですが、父母の一方を親権者、他方を監護者とされる場合もあります。
たとえ親権者になれなくても、監護者になれば実際に子供を手元において育てることが可能ですので、その意味では親権という名を捨てて、監護権という実をとる方法も意味があるといえるでしょう。
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