
宣誓認証制度は、公証人法58条ノ2の規定の新設により設けられた制度です(平成10年1月1日施行)。公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合において、当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、又は証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度です。宣誓認証を受けた文書を宣誓供述書といいます。
公証人が、私文書について、作成の真正を認証するとともに、制裁の裏付けのある宣誓によって、その記載内容が真実、正確であることを作成者が表明した事実をも公証するものです。
第1には、民事訴訟の実務において、訴訟促進の観点から当事者又は第三者の供述を記載した陳述書等を利用することが多いのですが、その正確性を担保するための手段として、制裁の裏付けのある宣誓認証を用い、証拠を保全し、適正かつ迅速な裁判に資することを目的としています。
第2には、私署証書の内容が真実であることを当事者が宣誓し、そのことを公証人が認証した証書の提出を、外国の官庁、会社等から求められることがあるため、そのような要請にも対応するためです(この第2の点については、「外国文認証」の項を参照してください。)。
今述べた第1の点の関係でいいますと、
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年10月13日施行)に基づく保護命令の申立てには、宣誓認証をした書面の添付を要する場合があります。
保護命令とは、裁判所が被害者からの申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、配偶者に対し一定の期間被害者へのつきまといの禁止等や住居からの退去を命じ、その命令の違反に対し刑罰が科せられるという制度です。
保護命令の申立てに際しては、申立書に被害者が、
しかし、申立書に3の事実の記載がないときは、申立書に1の状況及び2の事情についての申立人の供述を記載した書面に宣誓認証を受けたものを添付しなければならないものとされています。
また、保護命令の発せられた後、その保護命令の申立ての理由となった配偶者からの暴力と同一の事実を理由とする再度の申立ては、一定の期間被害者等へのつきまとい等の禁止を求める保護命令に限りすることができますが(同法律18条1項、10条1号)、その場合には、申立書に、上記②の事情についての申立人の供述を記載した書面に宣誓認証を受けたものを添付しなければなりません。
したがって、これらの場合には、宣誓認証を受ける必要があります。
宣誓は、証書の記載が真実であることを誓うものですから、認証を与える私署証書は、過去の事実を記載した内容のものが一般的です。しかし、契約書など証書の作成者の意思表示を記載した私署証書も含まれます。
まず、一般の私署証書と違い、宣誓認証は、公証人の面前で宣誓することが要件となっているため、代理人による嘱託は認められません(公証人法58条ノ2第3項)。
また、宣誓認証の嘱託をするには、同一内容の証書を2通提出しなければなりません(公証人法58条ノ2第2項)。手続終了後、認証した証書の1通を嘱託人に還付し、1通を役場で保存します。
次に、公証人は、宣誓の趣旨を説明し、証書の記載が虚偽であることを知って宣誓したときは、過料の制裁のあることを告げます(公証人法施行規則13条の3第3項)。それから、嘱託人は、公証人の面前で、起立して厳粛に、「良心に従って証書の記載が真実であることを誓う」旨宣誓します。
宣誓認証は、我が国では新しい制度です。創意工夫によっていろいろなことに活用できると思います。実際に社会で活躍され、苦労されている方々のアイディアが大切ですから、是非お近くの公証役場で相談してみてください。
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